悲しい知らせ
初めての日本からの電話でした。
受話器の向こうから伝えられたのは、
父方の祖父が亡くなったというあまりに突然の訃報でした。
私が結婚するまでずっと同じ屋根の下で一緒に暮らしてきた祖父。
このところ体調が良くなかったことは知っていました。
でもまさかこんなに突然、しかもここメキシコでそんな知らせを聞くなんて
本当に信じられませんでした。
ショックで涙が出ました。
でもたった一本の電話で知ったこの「現実」を受け入れられない自分もありました。
そして自分が遠く離れたところにいる「現実」をあらためて思い知らされました。
私たちはまだここに来て1ヶ月足らず。そして海を隔てた遥か遠い距離。
私は祖父と最期のお別れをすることは出来ませんでした。
そして、あれから1ヶ月。
いろんな想いを抱えながらも、毎日が慌しく過ぎていきました。
世話しない子供たちの相手をしながらも、ふと祖父のことを考えている自分がいます。
いつもそばにある青く澄んだ空と眩しい太陽の光に励ましてもらっているような気もします。
今はただ、ここで私に出来ることを精一杯やっていく。今の私にとってはそれしかありません。
これからはそっと私たちのことを見守っていてくれると信じて、
ここ遥かメキシコの地より静かに冥福を祈りたいと思います。
Descanse en paz.
---最後に
想いをこめて祖父あてに書いた手紙を、葬儀のとき妹に読み上げてもらいました。
ここにその手紙を捧げ、祖父を偲びたいと思います。
じいたんへ
こんなに早くお別れがくるなんて、今でも本当に信じられない気持ちでいっぱいです。
ちょうど1ヶ月前、海外に引っ越す私たち家族を笑顔で見送ってくれたのが最後になってしまいました。私たちが帰ってくるまで、もちろん元気でいてくれるものだと思っていました。もうこれから会えなくなるなんて、考えてもみませんでした。
今日は最後のお別れに駆けつけることができず本当にごめんなさい。
胸がつまる思いでいっぱいです。
私と妹は生まれてからずっとじいたんと一緒に暮らし、とても可愛がってもらって成長しました。幼い私と妹を連れて散歩に出かけてはたくさんのお菓子を好きなだけ買ってくれたこと、いつもワクワクしてとても嬉しかったことを今でもよく覚えています。
そんな私もいつしか成長して大人になり、結婚をして二人の子供に恵まれました。ひ孫たちの成長を見てもらえることは私にとって何よりの喜びでした。
いつまでも長生きして私たち孫やひ孫たちの姿を見ていて欲しかったのに、今はただただ悲しみでいっぱいです。
最近は体調が悪くてとてもつらかったと思います。
大好きな釣りや車の運転が思うように出来なくて悲しかったと思います。
何もしてあげられなくてごめんなさい。
これからはゆっくり休んで、そしてもう何年もずっと一人で待っているばあたんに、ひ孫たちの元気な様子を教えてあげてください。
これまでたくさんの思い出をありがとう。
どうか安らかにお眠りください。
by mexicoleon
| 2007-12-03 15:59
| 家族